bespo bespo

bespoは車いすユーザの一人ひとりに身体に最適な車いすシーティングを行うために開発された、車いすシーティングシミュレータです。

車いすを日常的に必要とする車いすユーザは、体格や抱える障害、リハビリの進捗状況、生活のスタイルによって人それぞれ個性があり、車いすがユーザそれぞれに適切に調整されているかによって、ユーザのQOLは大きく左右されます。手動車いすはユーザが長時間身体を預ける椅子であり、同時に人力で移動する乗り物としての側面を併せ持っています。褥瘡を防止することや、姿勢を楽に維持できることはもちろん、転倒しにくさ、漕ぎやすさ、座位姿勢の外観的な印象など、車いすの調整は時に衝突する様々な要件をバランスよく満たしながら、個人に最適なシーティングを探していく繊細な作業です。

bespoは車いすのシーティングを高い次元かつ短時間で実施するためにデザインされました。
車いすの座面や車輪の配置を電動で移動し、車いすユーザ自身が座り心地や漕ぎ心地を実際に体験。同時に、搭載された各種センサーの測定値から定量的にシーティングを評価します。被験者が座ったまま各部寸法を調整できることから、個人に最適な車いすシーティングを被験者、介助者の負担なく導き出す事ができます。

左右独立して車輪の回転スピードとトルクを計測し、重心位置の測定を行って調整前後の結果を定量的に比較検討。新開発の回転負荷制御で滑らかな制御でリアルな回転負荷を設定でき、現実の車いす走行を再現します。また、重い障害を抱え実際に手動車いすを使用しにくい方の運動トレーニングや、リハビリ開始間もない方の動作獲得に活用できる回転アシストも搭載。シーティング、リハビリ、トレーニングと様々な目的で用いる事ができます。

bespoはハードウェアとしての車いすシーティングロボットに留まらず、RDSが独自開発したクラウドデータベースと解析システムと連携することで真価を発揮します。計測されたデータをクラウドデータベース上で集約、多数のデータから体格や障害と車いすシーティングの関係についてAIによる解析が行われ、より精度の高いシーティングを提供することができます。開発中のクラウドデータプラットフォーム「wellgraph」では車いすシーティング以外のデータも織り交ぜ、医療・健康分野に留まらない幅広い分野の情報を横断的に解析し、多角的な視点からユーザのQOL向上に貢献します。

2019年にRDSが開発した車いすシーティングシミュレータロボット「SS01」に続き、国立障害者リハビリテーションセンター研究所、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)との共同研究を実施しています。イタリアのA’ Design Awardやグッドデザイン賞を受賞するなど、開発コンセプト、デザインに高い評価を頂いたSS01の改良モデルとして、bespoはSS01の開発、運用で得られたノウハウをもとに病院やリハビリ施設で使いやすいようにデザインを改良。構造の合理化を進めシンプルで小型、未来的ながら親しみやすいデザインに生まれ変わりました。

共同研究開発
- 国立障害者リハビリテーションセンター研究所
- 千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター (fuRo)

令和3年度 福島県 地域復興実用化開発等促進事業費補助金 採択事業

PROJECT

RDS PROJECT

RDSへお問い合わせ